次に当院での更年期障害に対する治療法を示しました。
ホルモン補充療法を行なわなくても、漢方薬単独または他剤(自律神経調整薬、抗不安薬など)との併用で
軽快されている方も多いようです。ただし、のぼせ・発汗などの症状が強い方には短期間でもホルモン補充を
行なった方が有効と思われます。
最後に、漢方薬とホルモン補充療法との比較をしてみました。
漢方薬は体質に合っていればほとんど副作用は見られませんが、先に書きましたが、即効性はありません。
逆にホルモン補充療法は即効性に優れていますが厳密な医師の管理を必要とします。
更年期障害ではそれぞれの皆様の症状に合った治療法は必ず見つかるはずです。医師に症状を話されるだけでも
落ち着かれる方も大勢いらっしゃいます。ご自分お一人で悩んでいらっしゃる方も多いと思います。
初めのほうに書きましたが、更年期は誰にでも訪れます。次のシニア期へのステップアップの時期と前向きに
とらえ、上手に乗り切っていただけるために私達産婦人科医もお手伝い出来ますように努力いたします。
「どうも産婦人科は敷居が高くて…」と敬遠されずに、お気楽なお気持ちで受診されることを切に願っております。
今回をもちまして、この連載を終了させていただきます。約3年の長期にわたり読んでいただきました
皆様に感謝いたしております。月経前症候群、パニック障害、更年期うつ病などの更年期障害関連疾患や
婦人科疾患全般についてもお話したかったのですが、生来の筆不精のため(単なる"なまけもの"という説も
あります)、いつ終了できるのか目途がたちません。まとまりましたら、再度掲載いたしますので、
その時はなにとぞよろしくお願い申し上げます。
レディースクリニック ばんどう
院長 板東律雄
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